VMware PlayerでUbuntu Linux

Last modified: Mon Nov 22 23:09:47 2010 JST

VMware Player 2.5でUbuntu Linux 8.04 LTSを動かそう．

準備

Windowsのセキュリティ設定
- Windows XPならService Pack 3 (SP3)をインストールし， Windowsファイアウォールを有効にしておく． Windows Updateを実施して，Windowsを最新の状態にする
- アンチウイルスソフトをインストールし，ウイルスパターンを最新の状態にする
  自宅のパソコン等，家庭での非営利利用なら avast! 4 Home Edition等が利用できる．大学等の組織利用の場合はライセンス違反なので，ちゃんとした市販アンチウィルスソフトを購入すること
- セキュリティセンターで上記の設定を確認する
Windowsの設定確認
- ネットワークに接続済みであること．無線LAN接続よりは，有線LAN接続のほうが通常は高速なので，必要に応じて接続を変更しておく
- Windowsの時計を正確に合わせておく
- 512Mバイト以上の実メモリ容量が必要
  「コントロールパネル / システム / 全般」で確認できる
  - 仮想メモリは推奨容量を割り当てておく
    「コントロールパネル / システム / 詳細設定 / パフォーマンス設定 / 詳細設定 / 仮想メモリ / 変更」で確認・設定変更できる
- 6～20Gバイト程度の空きディスク容量が必要
  使い始めは6Gバイト程度で大丈夫
  - できれば「アクセサリ / システムツール / ディスククリーンアップ」，「アクセサリ / システムツール / ディスクデフラグ」を実行しておく
- 表示が遅いマシン(たとえばノートブックでWindows Vistaを動かす)の場合，無駄な視覚効果(Aeroなど)は切っておく
- 不要な自動起動プログラムやサービスは起動しないようにする
- ユーザーを作成していない場合，「コントロールパネル(クラシック表示) / ユーザーアカウント」で新しいアカウントを作成し，後でUbuntu上に作成するのと同じユーザー名(半角英数字)とパスワード(半角英数字)を設定しておくと便利

VMware Playerのインストール

VMware Playerのページから VMware Playerをダウンロード
- 氏名，メールアドレス等の記入が必要．執筆時点では2.5が最新
- 2.5より新しいバージョンをインストールした場合は， VMware Toolsをインストールし直すというやや面倒な作業が必要となるかもしれない．以下ではVMware Player 2.5をインストールするものとして説明する
ダウンロードしたプログラムを実行し，VMware Playerをインストール

Ubuntu Linuxのインストール

Ubuntu Japanese Teamの VMware用仮想マシンのページから「Ubuntu 8.04 LTS」 (ubuntu-ja-8.04-vmware-i386.zip)をダウンロード (約740MB)
空きのあるディスク上で展開すると， Ubuntu-8.04-Japaneseフォルダ中に以下のファイルができる
- 設定ファイル: Ubuntu.vmx
- 仮想ディスク: Ubuntu-8.04-Japanese-s???.vmdk (多数ある．合計で2.6GBくらい)
設定ファイルUbuntu.vmxをメモ帳等で開いて編集
- 仮想マシンのメモリサイズ「memsize = "512"」を変更
  実メモリの半分程度にする(MB単位)．最低でも256MB程度は必要
- 「ethernet0.connectionType = "nat"」の行を追加し，仮想マシンのネットワーク接続方式をNATに設定する
  追加しなければBridgedネットワークになる． VMware Playerをインストールしたディレクトリにあるvmnetcfg.exeで詳細な設定が可能
必要に応じて，Ubuntu.vmxのショートカットをデスクトップに作成する

Ubuntu Linuxの起動と初期設定

設定ファイルUbuntu.vmxをダブルクリックして起動
VMware Playerの実行は重たいので，その他の不要なウィンドウは閉じておくこと
VMwareのライセンス確認
VMware Playerのウィンドウ中でBIOS起動後，Ubuntu Linuxが起動する
「言語の選択」で「日本語」を選択し「進む」をクリック
「時間帯の設定」で「Tokyo」を選択し「進む」をクリック
「キーボードレイアウト」で「Japan」を選択し「進む」をクリック
自分のユーザ情報を入力して「進む」をクリック (以下は入力例)
- あなたの名前は何ですか? Naoyuki Tamura (半角英字にする)
- ログインに使いたい名前は何ですか? tamura (半角英字で空白なしにする)
- パスワード: xxxxxxxxxx (半角の英数字と記号にする)
セットアップが終了し，ログイン画面が現れる (仮想マシンの再起動過程で，VMware Playerのエラーメッセージが表示されるが，無視してOKをクリック)
先ほど設定した，ユーザ名とパスワードを入力してログイン
- ログインのサウンドと共にGNOMEデスクトップが現れる

日本語パッケージを追加

「システム / システム管理 / 日本語版セットアップ・ヘルパ」を選択し，「OK」をクリック
インストールするアプリケーションを選択し，インストール
基本的には全部選択でかまわないが，お薦めは以下の通り
- ebview, edict-fpw, gjiten, sylpheed
- ubuntu-restricted-extras, xpdf-japanese, poppler-data
- lha-sjis, realplayer, adobereader-jpn, adobereader-jpn-ipamonafont, emacs-env-ja, latex-env-ja, latex-extra-ja
最終的に「日本語版セットアップ・ヘルパを終了しました」と表示されるまで，何度か「OK」をクリックする．

最小限の設定と基本的な使い方

VMware Tools

「アプリケーション / アクセサリ / 端末」で端末を起動
端末中で「sudo toolbox」と入力，パスワードを入力し，VMware Toolsを起動
「Scripts」タブで，4種類の各「Script Event」について，それぞれ「Use Script」のチェックを外して「Apply」をクリックする
「Close」をクリック
この設定により，VMware Playerを終了/再開させる時のエラーメッセージが出なくなる

概観の設定

Windows側とUbuntu側のマウスカーソルの形状が同じだとわかりにくいので，「システム / 設定 / 概観の設定」で「カスタマイズ」をクリックし，「ポインタ」タブでマウスカーソルの形状をwhiteglass等に変更する
「フォント」タブで，フォントの描画方法(最初は「最適なシェイプ」になっている)を自分の見やすいものに変更する
「視覚効果」タブで「通常効果」等を選んで3Dデスクトップを有効にすることはできない

フォルダ名の英語化

ホームフォルダ内にある「デスクトップ」等の日本語フォルダ名がいやな人は以下のようにする
- 端末を立ち上げて，「LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update」と入力
- 「Update names」をクリックするとフォルダ名が変更される
- このままだと，次回のログイン時に元に戻されてしまうので，「システム / 設定 / セッション」で「自動起動するプログラム」を選択し「User folders update」のチェックを外す

Adobe Readerのインストール

Adobe Readerはまだインストールが完了していないので，「アプリケーション / オフィス / Adobe Reader 8 Installer」をクリックして， Adobe Readerをインストールする．

マウスドライバの設定

上のようにUbuntu Japanese TeamのVMware用仮想マシンを使った場合は対象ずみなので問題は生じないが， Windows側とUbuntu側のマウスカーソルの位置がずれる場合， xorg.conf中のマウスドライバの設定を変更し， VMware用のマウスドライバであるvmmouse (vmmouse_drv.so)を指定する必要がある．

基本的な使い方

起動方法
- Ubuntu.vmxのダブルクリックで起動．
利用方法
- VMware Playerのウィンドウ内をクリックすれば，Ubuntu側への入力が可能になる
- Ubuntu側への入力の状態の時， Ctrl+Altキーを押せばWindows側への入力に切り替わる
- WindowsとUbuntuをまたがったコピー&ペーストも可能
- VMware Playerのウィンドウを最大化すれば， Ubuntuが全画面表示になる
- Ubuntuの全画面表示状態で画面上部にマウスカーソルを持っていくと， VMware Playerのメニューが現れる
終了方法
- VMware Playerの終了アイコン(Xボタン)を押せば， VMware Playerが終了する．再度VMware Playerを起動すると，Ubuntuが再開し，続きから作業できる (通常は，この方法でVMware Playerを終了させるのが良い)
- Ubuntuの画面右上にある電源アイコンからシャットダウンを選択すると， Ubuntu Linuxがシャットダウンされ，VMware Playerも終了する

バックアップ

「アプリケーション / アクセサリ / 端末」で端末を起動
「sudo apt-get autoremove」を入力しパスワードを入力，「続行しますか」に対して「y」を入力し不要なパッケージを削除する
「sudo apt-get clean」を入力し，これまでにダウンロードしたパッケージファイルを削除する (インストールされたソフトウェア本体は削除されない)
「sudo toolbox」と入力し， VMware Toolsをroot権限で実行する
「Shrink」タブを選び，「/」を選択して「Shrink」「Yes」をクリックし，しばらく待つ．「Do you want to shrink the disks(s)?」に対し「Yes」をクリックし仮想ディスク(Ubuntu-8.04-Japanese-s???.vmdk)の無駄領域を削除する．これで4GB未満になるはずなので，辛抱強く待つ (10分ぐらい)
右上の電源アイコンをクリックして「シャットダウン」を選択
Ubuntu-8.04-Japaneseのフォルダを別フォルダやDVD-R等にバックアップしておく．あるいはzipファイルに固めて保存しておく
バックアップした仮想マシンは，別マシンのVMware Playerで起動することも可能だ．便利!
今後も大きな変更を加える前に適宜バックアップと取ると安心

色々インストール

「アプリケーション」メニューの「追加と削除」を選択
- 「すべてのオープンソースアプリケーション」を選ぶと，多数のソフトウェアが現れる．
- 好きなものを選んで，チェック印を付け「変更の適用」をクリックするだけでインストールされる．
- いらなくなったソフトウェアは，チェック印を外して「変更の適用」をクリックするだけでアンインストールされる．
- インストールしたソフトウェアは，アップデート・マネージャで常に最新版に更新される．とっても便利!
- お薦めのソフトウェアは， Ubuntu Japanese Teamの「コミュニティー / フォーラム」中の「初心者サポート」掲示板のデスクトップ向けソフトウェアガイドなどを参考にすると良い．
「システム / システム管理 / Synapticパッケージ・マネージャ」で，さらに様々なソフトウェアをインストールできる

カスタマイズ等

日本語入力

日本語入力は，SCIM + Anthyで行う．「半角/全角」で日本語入力モードに切り替わる
F7でカタカナ変換等はMS IMEと同様
Emacs使いの人は「システム / SCIM入力メソッドの設定」を選択し，「フロントエンド / 全体設定」で SCIM開始から Control+space を削除する(あるいはShift-spaceに変更する)と平和になる

Firefox

URL入力欄に「about:plugins」と入力すれば，インストールされているプラグイン一覧が表示される
Java, Shockwave Flash, Windows Media Player Plug-in等がインストールされているのでほとんどのWebページは問題なく表示されるはず
「ツール / アドオン / 新しい拡張機能を入手」で便利な拡張機能等を導入可能
- 安全のためには， NoScriptを導入しよう

メールソフト

メールソフトは，Evolution, Sylpheed, Thunderbirdから好みのものを選ぶ
- 私のお勧めはSylpheed．Emacsのmewとも共存できるし，高速で軽い．迷惑メールフィルターにはbogofilterやspamassassinを利用するが，設定が必要な点が少し面倒
- 迷惑メールが多い人は，Thunderbirdのほうが使いやすいかも

OpenOffice.org

OpenOffice.orgは，Microsoft Office互換のソフトウェアパッケージであり，「アプリケーション / オフィス」から起動できる
活用の仕方は， OpenOffice.org日本語プロジェクトを参照
導入されるのはOpenOffice.org 2.4である． OpenOffice.org 3.0を利用したい場合は，自分で別途にインストールする

ファイル共有

「端末」を開いて以下を実行 (xxxxxはUbuntu側の自分のユーザ名)

sudo apt-get install samba
sudo smbpasswd -a xxxxx
New SMB password: パスワードを入力
Retype new SMB password: パスワードを再度入力

一旦，ログアウトして再度ログイン
「端末」を開いて「groups」実行し，sambashareが表示されることを確認 (一旦ログアウトしないと反映されないようだ)
「場所」メニューで「ホーム・フォルダ」を選択
「公開」フォルダ(あるいはPublicフォルダ)で右クリックメニューから「Sharing Options」を選択
「Share this forlder」および「Allow other people to write in this folder」にチェックを付け，「Create Share」をクリック
これでLinux側の自分のホームがWindows側からアクセスできるはず
Windows XPなら「マイコンピュータ」を開き，「ツール / ネットワークドライブの割り当て」をクリック
フォルダ入力欄右の「参照」をクリックして，「public - ubuntu-vm server」を選択
「ログオン時に再接続する」のチェックを外し，「異なるユーザー名で接続します」をクリックし， Ubuntu側の自分のユーザ名xxxxxとさっき設定したSMBパスワードを入力する
この方法が，一番安全かつ楽ちんと思われる．ただし上記設定では，「公開」フォルダはUbuntu側のどのユーザでも書き込める設定(rxwrxwrxw)に変更されてしまうので，他のフォルダを共有する場合には十分に注意する
上記以外にファイル共有を実現する方法として， VMware Playerのメニューの「Shared Folders」は，ファイルが壊れる危険性があると思われるのでお薦めしない． Ubuntu側の「場所 / ネットワーク / Windowsネットワーク」からアクセスするのも， Windows側でファイル共有機能を有効にする必要があるので，安全にかつ正しく設定できる人にしかお薦めしない

フォントの追加

True Typeフォント(拡張子 .ttf)を追加したい場合は，ホームフォルダの下に「.fonts」(最初がドット)という名前のフォルダを作成し，その中にTrue Typeフォントをコピーする．

本サイト内の他のページ

リンク等

Ubuntu Japanese Team
- Ubuntu日本語フォーラム / 初心者サポート
Ubuntu インストール個人的ノート (by TMCosmos)
Firefox
- Firefoxを使い続けるための“お勧め”設定 (NoScriptアドオン)
Ubuntu Magazine
- Ubuntu Magazine vol.01
- Ubuntu Magazine vol.02
日経Linux : フリー/オープンソース・ソフトウエア
@IT: Linux Tipcs
ITpro: Linux (右側のヘルプが便利)

[ Tamlab勉強内容へ戻る ]

Naoyuki Tamura